米粉うどんも「つや姫」人気

県庄内総合支庁農業技術普及課の米粉利用加工品試食会が12日、三川町横山の物産館マイデルで開かれた。鶴岡田川地区の農産物直売施設や農協の関係者らが、米粉用に開発された「越のかおり」や、「つや姫」など水稲3品種を原料にしたうどんを食べ比べ、味や食感などを採点した。中でも「つや姫」の評価が高く、「新規需要米で作れるようにしてほしい」という声が上がった。

米の消費拡大と自給率向上を見据えた米粉利用の拡大を狙いに開催。県の関係者を含め約30人が参加した。

食べ比べたのは、新潟県で米粉用に開発され、炊飯米を硬くする成分・アミロースが多い「越のかおり」、県水田農業試験場で開発され、今春から種子の配布が始まる大粒・多収で酒造適性に優れた「山形100号」、そして「つや姫」の3種。いずれも鶴岡市矢馳で栽培したものを使った。

加工は、2010年4月から「はえぬき」100%の「こめっ娘うどん」を出しているマイデル(大川京子会長)が担当。3品種とも同じ方法でうどんにした。

参加者はゆで上がったうどん3種の色、香り、粘り、コシの強さ、食感などを採点。多くは特に「つや姫」について「のど越しや食感が良く、使ってみたい」「つるつるして、一番おいしい」などと高評価の感想。ただ、高い原料コストを踏まえ、「(減反の助成対象となる)新規需要米として作れるようにしてほしい」という声も上がった。

山形100号は「つや姫よりは劣るが、使えそう」「多収なのでコスト的には良さそう」、越のかおりは「ボソボソしている」「硬い」などの感想。

マイデルの大川会長は「店で出している米粉麺の評判はとても良い。原料は会員が普通に作っているはえぬき。生産者にもっと利益を還元できるように、今後は新規需要米の利用についても検討したい」と話した。

農業技術普及課によると、庄内地方の米粉用新規需要米の作付けは、2010年が29ヘクタール(収量173トン)、11年が156ヘクタール(930トン)で、大半が酒田・飽海地区。米粉用新規需要米を作付けするには、事前に利用者と販売契約を結ぶ必要があるため今回の試食会にはそうした関係者の連携強化の狙いも込めたという。
2012年1月14日 庄内日報 付け紙面より