つや姫:生産倍増へ 県、栽培指導も強化 高品質・良食味の維持課題 山形

12年産「つや姫」の県内生産について、県は応募のあった全生産者4529人、作付面積6500ヘクタールを認定した。生産者は11年に比べ約1150人、作付面積も3300ヘクタール増やす。県は全国ブランドを確立するため、年間を通した販売を目指しており、生産量は倍以上増やし3万2500トンを見込む。一方、生産者の増大で、高品質や良食味の高水準の生産技術が維持できるのかという懸念もあり、県は栽培指導の徹底を一層強化する考えだ。
県によると、つや姫がデビューした10年は生産者が2573人で作付面積は2500ヘクタール。今年は3373人で同3200ヘクタールだった。
7日に開かれた県議会12月定例会の代表質問でもつや姫の生産戦略の質問が出た。児玉太県議(自民)が「品質・食味と収量を両立させるための対策が急務。栽培面積を拡大していく中で栽培戦略をどうしていくのか」と質問。県農林水産部の菅野滋部長は「(天候などにより)収量や品質に地域差がみられ、つや姫の標準的収量を下回っている地域もある。地域の実情に応じたきめ細かい指導体制を構築したい」と、肥料の量や種子量、土質などを地域の特性に応じて栽培指導を検討する考えを示した。
生産者が増えれば栽培技術指導が行き届かなくなるのではという懸念がある。県は、現在33人を認定している高い生産技術を持つ生産者の「つや姫マイスター」の増員や、研究機関や農業団体と連携して技術習得や情報交換の場を設けるなど、品質維持に努めたい考えだ。
県産米ブランド推進課によると、地域別の認定者と作付面積は、庄内が2031人(面積3145ヘクタール)と最も多い。次いで、置賜1101人(1479ヘクタール)▽村山919人(1232ヘクタール)▽最上478人(644ヘクタール)。
毎日新聞 2011/12/8