神嘗祭初献上、「つや姫」抜穂祭 豊かな実りに感謝・大石田
伊勢神宮(三重県)で15日に執り行われる神嘗祭(かんなめさい)に初めて献上することになった「つや姫」の稲穂の収穫が、大石田町豊田で行われた。県神社庁北村山支部(中原昭男支部長)の宮司らが、豊かな実りに感謝しながら稲を手で刈り取った。
神嘗祭は、新穀を天照大神(あまてらすおおみかみ)に奉る祭典で、五穀豊穣(ほうじょう)や国民の平安などを祈る神宮の大祭。全国の神社庁から「懸税(かけちから)」としてコメの稲穂が献上され、県神社庁でも毎年県内11支部が持ち回りで届けている。
今年は北村山支部が担当で、同支部はPRも図るためJAみちのく村山の協力を得て「つや姫」を本県からの「懸税」として初めて用意。5月に御田植え祭を行い、地元八坂神社の行沢清一宮司が5アールの水田でアイガモ農法で育ててきた。
収穫する抜穂祭(ぬきほさい)が30日に行われ、同支部の宮司や総代、関係機関の代表者、地元住民ら約40人が参加。神事を行い、烏帽子(えぼし)に白装束姿の宮司らがつや姫の稲を1束ずつ丁寧に手刈りした。行沢宮司は「皆さんの協力があって献上にふさわしい稲穂が実った。感無量です」と話していた。
稲穂は乾燥させた後、10月15日の神嘗祭に合わせて届ける。残った分は奉納米として神社関係者や豊田地区の住民らに配る予定。
2011/10/02 山形新聞