放射性物質検査 山形県、「つや姫」は独自に
山形県は8日、県産米の放射性物質の検査について、国の方針に基づいて収穫前後の2段階で実施するとともに、県開発の「つや姫」の検査も独自に行う方針を明らかにした。収穫の遅い晩生(おくて)品種のつや姫は事実上、国が示す検査の対象外になるため、ブランド化を進めるには特別に検査し、安全性をPRする必要があると判断した。
国の方針に従い、収穫前の予備検査を県内44地点で行い、本検査を「昭和の大合併」前の旧235市町村ごとに行う。放射性セシウムが1キログラム当たり500ベクレルの基準値を超えた場合、旧市町村単位で出荷を制限する。
国の方針通りだと、予備検査、本検査ともそれぞれ対象地点1カ所につき1回だけの検査となるため、早生(わせ)や中生(なかて)の品種で検査が終了すると、晩生品種は検査の必要がなくなる。
山形県の場合、早生の「あきたこまち」や中生の「はえぬき」が検査対象になる一方、9月下旬に収穫が始まるつや姫は国の方針に基づく検査の対象から外れる。県は「つや姫は県産米の販売戦略を考えた上で重要な品種」(生産技術課)として、独自に県内44地点で本検査と同等の検査を行う。
吉村美栄子知事は8日の定例記者会見で「検査で県産米の安全性を確認し、コメ主産地の役割を果たしたい」と話した。
2011年08月09日 河北新報より