「つや姫」12年県目標、農水の産出額3000億円 県が元気再生戦略推進会議

2012年を目標年に定める「農林水産業を起点とする産出額3000億円」について、県は31日、山形市で目標達成に向けた戦略推進会議、県産農産物の加工振興を図る検討会をそれぞれ開いた。中間年の10年実績額(見込み額含む)は2503億円に達し、目標額を上回る見通し。「仕上げの年」となる12年を迎え、県は生産者団体、食品関連業者などとの連携を強め、大台クリアの実現を目指す。

3000億円達成に向け、県が09年11月に策定した活動指針「農林水産業元気再生戦略」の推進役を果たす「農林水産業元気再生戦略推進会議」が同日、山形市の県自治会館で開かれた。県は10年実績額について、目標額を71億円上回る2503億円に達する、との集計値を示した。

10年実績額は、国が1月25日に公表した農業産出額(土地利用型作物、園芸、畜産の集計値)にコメを対象にした国の戸別所得補償制度モデル事業の交付金を含む2152億円を確定値として算定。林業、水産業、食品製造業者の県産品使用割合などを加味した付加価値分は確定値が出ていないため、県が09年実績額から見込み額としてほぼ同水準を加算した。

その結果、10年実績額は目標額2432億円に対し2503億円。09年実績額から155億円の上積みが図られた。県は要因として、園芸が09年時の857億円から931億円に拡大したことなどを挙げた。

会議では他に元気再生戦略の取り組みとして、10年秋に本格デビューした県産米「つや姫」の認知度が全国的に上昇していることや、不作が続いたサクランボの生産量が増加した点などを成果として説明した。

3000億円達成につなげる施策展開について、出席した委員から「販売先を見据えた事業展開が重要」「新規就農者が安心して営農できる環境を整えるプロジェクトも検討してほしい」などの意見が出された。
2012年02月01日 山形新聞