「つや姫」3年目の戦略で意見交換 ブランド化推進本部

山形つや姫ブランド化戦略推進本部(本部長・吉村美栄子知事)の生産、販売、コミュニケーションの3戦略部会が22日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれた。本格デビューから3年目を迎える2012年度の各戦略策定に向け、委員らが意見を出し合った。
より一層、品質、食味を向上させるための取り組みや非正規栽培、流通を防ぐ方策が必要などとの意見が出た。滝田俊一郎県米穀集荷協同組合理事長は「最も懸念されるのは(認定されていない農家が独自に入手した「つや姫」の)種で育てた米が流通すること。せっかくブランド化を目指して取り組んでいるのに、水の泡になってしまう。『山形のブランドとして売り出していく』とする意識を農家に対してしっかり啓発する必要がある」と指摘した。鶴田裕月刊食糧ジャーナル編集部長は「他県でも栽培が広がりつつある中、(高品質、良食味を維持するため)山形県は質のいい『つや姫』しか流通させないとのメッセージを(全国に)出し続ける必要がある」と強調した。
販売戦略に関する意見では他品種との差別化を明確に打ち出すとの提案が多く出た。牛尾陽子東北活性化研究センターアドバイザリーフェローは「よりおいしく食べてもらえることを強く打ち出した売り方をしてみてはどうか。具体的には家電メーカーとタイアップし、炊飯器に『つや姫』プロモーション用の小袋を付けてもらうなどのアイデアだ」と提案。コミュニケーション戦略ではフリーアナウンサーの庄司麻由里さんが「来年は本格デビューから3年たつことを考えなければならない。現在、東京で目につくコメのCMは北海道の『ゆめぴりか』。目新しさが薄れた時にどんな手を打てるのか具体的に考える必要がある」と強調した。
2011年12月23日 山形新聞