農and食・毎日農業記録賞:高校生の部で入賞、県内の3人を表彰 /山形
第39回毎日農業記録賞(毎日新聞社主催、農林水産省・県・県教委など後援、JA全中など協賛)の高校生の部で入賞した県内の3人が表彰された。優良賞の置賜農3年の小沼尽さん、いずれも地区入賞の庄内農3年、斎藤慎さん、村山農1年の青木和(のどか)さんで、一般部門最優秀賞の渡辺光子さん(81)=河北町=に続く表彰。それぞれ毎日新聞山形支局の湯浅聡支局長から賞状と盾などが贈られた。
小沼さんは、植物性油を原料とし二酸化炭素を出さないBDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)燃料に注目し、学校の寮や家庭から出た使用済みの食用油でBDF燃料を作り、農機具に再利用する目標をまとめた。
中学時代、大好物の鶏の空揚げに使った食用油を捨てていることに疑問を感じ、高校で追究した。現在、川西町小松で学校の農産物と廃食油を交換してBDF燃料を精製することを目指し、地域活動として取り組んでいる。東京農大への推薦入学が決まっている小沼さんは「将来は公務員となって地域の農業に貢献したい」と目標を語った。
斎藤さんは、鶴岡市藤島で専業農家を営む家に生まれ、後継者としての決意を作文に込めた。品質の高い米は通常の3倍以上の価格で取引されていることを知り、ミネラルやカルシウムが豊富なカキ殻肥料を使った栽培を試みた。後継者不足が身近でも課題になっていることを受け止め、収益1000万円以上の農家を目指す。
斎藤さんは農業クラブ東北大会の発表会でも優秀賞に輝いており、「納得するまで何回も書き直した。力を抜かないことが大事」と話す。農業大学校に内定しており、「稲作や果樹を勉強したい」という。同校では、つや姫、はえぬきなど5種類の米を栽培し、来年には東京・銀座で「庄農米」として販売する予定という。
青木さんは「お米コンテスト」で優勝した岐阜・飛騨の米「龍の瞳」を知った驚きを素直に表現した。稲、トウモロコシ、ヒマワリの栽培を通じて「違いがわかる」農業を目指す。バレーボール部との両立を掲げる青木さんは「書くことで難しい専門用語も覚えた。今は農業技術検定を目指して勉強している」と前向きに話した。
毎日新聞 2011年12月20日