「つや姫」使った大吟醸「初想」完成 南陽・辛口、すっきりした味わい
日本酒とそばをこよなく愛する「三木(さんもく)会」(佐藤博史会長、27人)が企画した「つや姫」を原料としたオリジナル酒「純米大吟醸酒 初想(はつおもい)」が出来上がった。10日夕、仕込みを担当した南陽市の東の麓酒造で初飲みし、香りと味などを確認した。
山形、天童、村山などの“左党”が集う同会は、第3木曜日にそば店を会場に例会を開き、全国の日本酒談議に花を咲かせている。ことし2月に「食べておいしい話題のつや姫の酒はおいしいのか」と盛り上がり、佐藤会長ら4人による製作実行委員会を立ち上げた。粘りが強いなどの特徴を持つつや姫を最大限生かすため、精米歩合、酵母、麹などを研究。つや姫400キロを50%精米して酒蔵に持ち込み、10月下旬から仕込み作業に入っていた。
できた日本酒は1.8リットル換算で約220本分。精米したつや姫の粒の印象と会員の思いを込めて「初想」と命名し、オリジナルラベルを貼った。待望の酒を口にした会員は「辛みがいい」「すっきりしている」と満足げ。東の麓の新藤栄一製造部長は「麹を作るときは糊気(のりけ)が強い印象があったが、影響なく、いい酒になった。食中酒としてぴったりのやや辛口。冷やでも燗でもおいしいと思う」と太鼓判を押す。
今回けん引役を果たし、きき酒師認定も受けている阿部美春さん=山形市飯田=は「素晴らしい出来。つや姫に、酒米の代表格の山田錦を超えるポテンシャル(潜在力)を感じた。米や日本酒をめぐる環境が危機的な状況で、私たちがその良さを発信していかなくては」と熱っぽく語った。
オリジナル酒は一般販売はなく、会員、関係者のみの頒布となる。
2011年12月13日 山形新聞