JAがコメ概算金 つや姫1万4100円

▽東北の主銘柄で最高値
JA全農山形は15日、販売を委託された農家に前払いする2011年産米の概算金(1等米60キロ)を決めた。本格デビューから2年目の「つや姫」は前年比2600円増の1万4100円で、東北6県の主な銘柄米で最高値となった。「コシヒカリ」は1万2千円、「はえぬき」は1万500円でいずれも前年比1500円増。
原発事故の影響などで、今年は古米が買い占められたり、安全なコメを確保するために新米を早めに仕入れたりする動きがある。
JA全農山形は、11年産米の収穫前契約が前年比4倍強の7万1千トンに上っていることなどから、取引価格の上昇を見込んでいる。
猛暑でも高品質を保った10年産のつや姫は今年2月に1万6千トンが全量出荷され、7月初旬には店頭からほぼ消えるなど判が高かった。今年のつや姫の概算金について、同JAは「市場から高い評価を受け、県の最高級ブランド米にふさわしい国内トップレベルの販売価格設定が可能だと判断した」と自信を見せる。
一方、県による放射性物質の本調査の結果の公表は今月20日ごろの見込みで、県産米に対する消費者の評価はまだ不透明。同JAの川村正敏米穀部長は「『不検出』を祈っているが、いずれにしても市場には安全なコメだけを出すので、風評被害の影響は織り込んでいない」と話す。
東北6県のJAが発表した今年の概算金は、軒並み昨年を上回る水準になっている。
ただ都内の米卸売り大手業者は「コメが買い占められ不足感があったが、徐々に解消している。東北のコメが高く売れるか疑問だ」と言い、今後の消費動向に注視する必要があると指摘している。(奥田貫)
2011年09月16日 asahi.com