「つや姫」全国ブランド定着目指す
今年デビュー2年目を迎える「つや姫」の全国ブランド定着に向けた「全国つや姫サミット」が25、26の両日、山形市などで開かれた。23道府県から自治体、農業団体の担当者約200人が参加し、本県のほか宮城、大分の関係者がつや姫の品種特性や高品質・良食味米などをアピールした。
「山形つや姫ブランド化戦略推進本部」(本部長・吉村美栄子知事)が、つや姫の「本家」である本県、奨励品種に採用している宮城、大分両県の先進地の取り組み状況、現地ほ場の視察などを通じ、品種特性や栽培技術に理解を深めてもらおうと初めて開催した。
初日の25日は山形市内のホテルで意見交換会を開き、あいさつで吉村知事は「デビューした昨年は好調なスタートを切り、高い評価を頂いた。2年目はブランド定着に大切な年になる。サミットをきっかけにつや姫の輪が全国に広がり、日本を代表するブランドになることを期待する」と述べた。
宮城大事業構想学部長の大泉一貫氏が「つや姫のブランド確立と全国定着を目指して」のテーマで基調講演。引き続き、つや姫を奨励品種とした宮城、大分両県と本県の担当者が栽培の取り組み状況を説明し、大泉氏をコーディネーターに3県の担当者が、今後の展開などについてパネルディスカッションで意見交換した。
このうち、宮城県の担当者は「生産者には施肥量の細かい情報提供が必要。宮城県に適した栽培方法が確立されておらず、今後は試験場で検証したい」、大分県の担当者は「つや姫は大分では極早生となる待望の品種。県のマニュアルに沿った栽培管理、集荷の一元化などを徹底し、トップブランド米として大切に普及したい」など、課題や期待を述べた。
また、山形県の担当者は「気象状況による生育パターンの変化にどう対応していくのか、マニュアルを補完する技術の確立を目指したい」などと述べた。
最後に、本県の生産者代表が「全国の生産者とともに日本を代表するブランド米に育てる」などとした「つや姫宣言」を読み上げ、トップブランド米定着に向け取り組みを強化していくことを確認した。
2日目の26日は、山形市内の県農業総合研究センターのつや姫試験ほ場など3カ所のほ場を視察した。
荘内日報社 2011年8月26日